カンボジア首都プノンペン

プノンペン

 僕にとっては苦手な場所プノンペンです。 シェムリアップからゲストハウスで教えて頂いた情報をもとにバス停でバスに乗り込み、 未だ癒えない熱に悩まされ始めました。 一時治ったはずのこの体でしたが、激しい熱のおかげで思考力が低下し始めて、 バスに乗るとすぐに爆睡してしまいました。 一度も起きること無く気が付けばお昼で、合計8時間ほどのバスの旅だったでしょうか。

北朝鮮とカンボジア

 今から書くことは、 ただシェムリアップでカンボジアの方数人から伺った「ただの話」として読んでください。

 カンボジアの方と話す機会はたくさんあったのですが、 僕は数人に同じ質問をぶつけてみました。
「どうして、英語が話せるのに他の国で働かないんですか?」
すると、彼らは皆口を揃えて 「海外で働ける人のほとんどは、群を抜いて優秀な人材か大金を政府に支払った者だけだ」 と言いました。 そこで、タイについて聞いてみました。
「タイの方が物価も高いし言葉も似ているからどうですか?」 多くの人は 「タイはとても嫌いで、軍隊も弱い」と答えました。 なるほど、隣国同士の違う民族は良くいがみ合っているものですよね。

 実際僕はタイ国内でカンボジア出身で働いている方と数人出会うことができましたが、 彼らはタイで働きに出る時はとても難しく、カンボジアに残した家族にも数年間会っていないと言っていました。

 そこで疑問が生まれました。 「じゃあ、海外に仕事に行く人の多くは何処に働きに出かけるのか?」 僕は尋ねてみました。 すると彼らは「もちろん北朝鮮だ」と答えました。
僕は英語で「ノースコリア」と「サウスコリア」の違いで、 北朝鮮と韓国と違った意味になるだけなので、 これは聞き間違いで「韓国と言いたかったんだな」と思い。 再び尋ねました。
「北じゃなくて、南でしょ?」 「彼らは馬鹿にしてるのか?」と、言った表情で「北と南を間違えるか!」と言い返してきました。 そして続けました。
「カンボジアにはたくさんの韓国語を話せる人やレストランがある。 それは多くの人が北朝鮮に出稼ぎに出かけて覚えたからだ」
「北朝鮮と、カンボジアの政府は実は中がいい。 北朝鮮の給料はここよりも数段いいから行きたい人は多いはず」 と言っていました。 僕はこの辺りの政治は良く分からないのですが、 北朝鮮の方が給料が良いというのには驚きました。

 米ドル通貨の利用、麻薬の闇取引と何処か似た両国の関係があったのかも知れません。

プノンペンへ
プノンペンへ続く道です。綺麗にアスファルト整備がされています。
プノンペン建設中のホテル
プノンペンでは建設中のホテルをたくさん見ました。

 バス停に到着した僕は、 バスの中で隣に座っていた男性からゲストハウスを紹介して頂きました。 そしてその男性は「バイタクを僕のために交渉してやるから、付いて来い」というのです。 僕は、彼と数時間話して悪い人では無いと判断していたので、付いて行く事に決めました。 彼がバイタクと交渉する事2分。 1ドルで彼の紹介してくれた目的地まで行ってくれるというのです。 僕は「すごくいい人に出会った」と、バイクに乗り込み彼の紹介するゲストハウスへ向かいました。

 しかしバイタクのおやじが僕に「道を言え」と言うのです。 僕はバスの中で出会った男性が運賃交渉している時に、 「そのゲストハウスの場所をそのバイタクの男が知っているのか?」 と確認しているのを見ていました。 しかし、実はそのバイタクのおやじはお客さんが欲しいから嘘を付いたようで、 そのゲストハウスの場所はおろか名前さえ知らなかったのです。

 とりあえず、ホテル街まで連れて行かれ、 「この辺りだから3ドル払え」と言われて僕はキレました。 「誰が払ってなるものか」という思いと、 道も知らずに客だけとって目的地に到着できず、1ドルじゃなくて3ドル。 考えられません。僕は「払わない」の一点張りにしました。 しかし、その男も何やら僕に文句を言ってきます (カンボジア語で意味不明ですが、すごい剣幕で捲くし立てられる)。 これでは拉致もあかず、警察を呼んでもカンボジアは僕にとってはアウェーなので、 少し違った方向でその男を追いつめることにしました。

 その辺りは、ゲストハウスやホテル街なので多くのバイタク運転手や英語ができる方がいらっしゃいます。 もちろんこう言う場所には観光客もいます。 そこで、僕はまわりの人を集める事にしました。 気が付くと20人くらいに囲まれて、僕は彼らに対して状況を説明しました。 周りの人は、「僕が正しいからバイタクの男に謝れ」というのです。 その状況が彼にとって最悪だったのは確かで、 彼は大声で文句を言いながら逃げていきました。

 その後笑えたのが、 周りを囲んでいたバイタクの運転手達が「俺なら大丈夫。何処に行きたい?」と次々声をかけてきます。 僕は「何だこれ?」と、 笑ってその場所を回避して2時間くらい歩き周りました。 その結果、とても良いゲストハウスを見つけました。

OKゲストハウス  OKゲストハウス2
 僕の泊まったゲストハウスです。 とてもいい環境でしかも一泊6ドル程度でした (熱があったのでちょっとした贅沢をしました)。 普通この部屋は8ドルのようですが、値引き交渉が可能なようでした。

 このゲストハウスの名前は「OKゲストハウス」と言います。 スタッフは人懐っこい人ばかりで、皆さん英語をかなり話せます。 彼らはバイタクなどを副業としていて少しお金にうるさいところはありますが、 それを除けば食べ物もおいしいし風邪を治すには最高の環境でした。

 また、ゲストハウスのオーナーと話す機会がありました。 オーナーは日本語を勉強しているようで片言の日本語を話します。 そして彼は僕に言いました。 「このゲストハウスに来た日本人は、お前が3人目だ」 僕は、どうしてこんなに素晴らしいゲストハウスに日本人が来ないのか不思議でした。 もしあまり日本人に出会いたくないのであれば、 「OKゲストハウス」に行く事をお勧めしておきます。

プノンペン町並み
プノンペンも綺麗な町ですね
プノンペンの王宮  プノンペン王宮2
王宮に立ち寄ってみました。 入館料が9ドルと高く迷いましたが、 熱もあり他の事をする元気も無かったので入ってみました。
プノンペン王宮3  プノンペン王宮4
王宮内は新しいものばかりで僕はあまり興味が無かったのですが、 綺麗な建物である事は確かです。
プノンペン王宮内の演奏
こう言った楽器演奏や歴史を物語る小さな博物館も中にはありました。
プノンペン王宮5

 カンボジアでは多くの売春や風俗があるようです。 多くの沈没した中年の方は昼間からゲストハウスで酒を飲み、 夜になると女性を買いに行って朝眠ります。 そして、また昼頃に起きてきて他の長期滞在のほかの方と情報交換をするそうです。 人間沈没したくはありませんよね。